2015-01-01から1年間の記事一覧

猪変は単なる異変ではない

ヒトとイノシシとの軋轢を題材にした中国新聞取材班編『猪変』(本の雑誌社、2015)を読んだ。イノシシの個体数増加による分布拡大と農業被害を背景に、その保護と管理の問題をフィールド調査を基にしながらまとめたルポルタージュ。取材はヨーロッパにもお…

STAP不正で告発受理

今年1月、理研の元研究員が、研究室からES細胞が盗まれたとして告発していた問題で兵庫県警は14日、容疑者不詳のまま告発状を受理した、とする記事が毎日と読売の両新聞HP(5月14日)に載っていた。 1月の告発時点では日本経済新聞しか取り上げなかった…

デュロック系イノブタか

5月09日付の岐阜新聞HPに「巨大イノシシ撮った―」という記事が載っていた。岐阜県中津川市内の山林で体長2メートル近い「イノシシ」の姿を赤外線自動カメラで捉えたが、どうもこの個体は形態的特徴から家畜の「イノブタ」ではないかというニュースだ。 一般…

シルバー人材「天下り」

先日、友人から「シルバー人材センター」でかなりいい給与(約21万円)で職員を募集していたので応募してみたが、どうもそこは行政の「天下り先」で、とんだ無駄足を踏んでしまった、と憤慨とも落胆とも取れる話を聞かされた。 なるほど、シルバー人材はやは…

STAP細胞問題で告発

昨年末の12月26日、理研OBの石川智久さん(60)が理研元研究員の小保方晴子さん(31)を窃盗の疑いで兵庫県警神戸水上署に刑事告発した。今年に入ってからネット情報で偶然に知ったのだが、朝日・毎日・読売・産経・東京の各紙は取り上げなかった。唯一取り…

とかいなかにもトマブーム

昨春フランスで出版され、年末に日本で翻訳本が出版されるや否や一大ブームを巻き起こしたトマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房)。私の住むとかいなかでも、各地の公立図書館では予約の殺到状況が続いている。ここまでブームを巻き起こした経済学専…

実にタイムリーな出版

「マスコミ各紙にはSTAP細胞の真相をとことん解明してもらいたい」(1月6日の同欄)とぼやいていたら、その次の日の1月7日、何と『捏造の科学者 STAP細胞事件』という本が出た。実にタイムリー、そして最適役による検証ドキュメンタリーである。やはり思いは…

不正が正式に確定

新聞各紙は1月6日、理化学研究所は、小保方さんがSTAP論文の不正を認定した先の調査委員会の報告書に対して、期限までに不服申し立てがなく、STAP論文問題不正が確定したと一斉に報道した。理研は、近く懲戒委員会を開いて小保方さんらの処分を検討するが、…

当初から分かっていたことなのに

科学界の一大スキャンダルとして取りざたされてきた「STAP細胞」をめぐる問題が、理化学研究所の調査委員会によって、ようやく結論が下された。「STAP細胞から作ったとされた細胞や組織は、すべてES細胞の混入に由来する、あるいはそれで説明できる。STAP論…

その狭量さに呆れ返る

今朝、INで朝・毎・読を見ていたら毎日と読売が、それぞれがん研究についての興味深い記事を載せていた。毎日には、既存の肝炎治療薬にがんの転移を抑制する効果がある、というもので、中山敬一・九大教授らのグループが、がんを転移しやすくするタンパク質…

今年もまた1年が始まる

昨年はいろいろ大変な年でした。そのいろいろなことを引きずって今年もまた1年が始まりました。そんな年を展望する念頭にふさわしい一冊を紹介します。昨年末あたりから新聞各紙の書評で取り上げられているトマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房)。…