koujinのつぶやきその10

 先月末、PCのキーボードに酒をこぼしてしまい、右側3分の1が使用不能になってしまった。それから1カ月、家電量販店に壊れたPCを持ちこんだり、ハード○○でジャンクのキーボードを買ったり、新たなPCを物色したり、いろいろ動き回ったおかげで家電量販店や銀行のあくどい販促事情を垣間見ることができて、とてもいい勉強になった。そして情報検索ツールとしてのPCの有難味が改めて分かった。

 酒を机の角に置きながらPCをいじっていたのが悲劇の始まりだった。いつかはこぼすんじゃないかと思いつつもなんとなく習慣になっていた。ちょっとほろ酔い加減で右ひじにウイスキーの入ったグラスが当たってしまった。「あっ〜」と声を上げた時にはキーボードにグラスが倒れていた。

 しばらくPCの画面は起動していたが、やがてプッツンと真っ暗になってしまった。「とうとうやってしまったか」と自嘲の笑いがもれた。仕方がないので、少しでも水気を切ろうとPCを横にしてしばらくそのままにしておいた。しばらくしてキーボードに触れてみるとやはりダメだった。キーボードがべたついて動きが悪い。キーワードを入れてPCを立ち上げる画面までは出るのだが、数字が出ないキ―があり、PCを立ち上げることができなくなってしまった。

 まず頭に浮かんだのは、外部のキーボードをつなげば問題は解決するのではなかろうか、ということだった。さっそくハード○○に行ってとりあえずジャンクのキーボード(525円)を買った。が、PCとの接続コネクターが合わず徒労に終わった。

 次はこのPCをK家電量販店に持ち込んで接続コネクターのあう外部キーボードとの接続を試みたがうんともすんともいわない。これも結局は動かずじまいだった。キーボードの一部だけではなく、PC本体の方まで酒が回ってしまったらしい。ところがこれはK家電量販店の販売係のとんだごまかしだったことが後で分かる。

 「仕方がない新らしいPCを買うか」と、今度はY家電量販店に行き、あれこれ新型のPCを物色していたら壊れたのと同じメーカーの手ごろなPCが目に留まった。「これがいいか」と思っていたら本当に買いたいメーカーのPCが鎮座している。やや高めだがどうせならこっちがいいと思いなおして、販売係の方と価格交渉を進めた。ワード、エクセルの互換ソフト、スティックメモリ、カラープリンタをセットにしてローンで買うことにして契約書を書きローン会社の審査を受けた。が、なんとローンは組めないとのこと。少々焦ってきた。が、これも後で分かったことだが勤め先の名前が間違っていて審査が通らなかったようだ。なんとつまらない単純ミス。しかし、これが最終的にはおおいに幸いすることになった。

 次なる手段は銀行融資。T銀行からこうした一連の不運を救うかのような融資があることなので話だけでもとT銀行に出向いてみた。いろいろ聞いた後で仮契約書を書いてローン会社の審査を受けるとこちらは基準が緩いということで(融資係が自らこう言った)、軽くパス。しかし、この融資制度はかなり金利が高く設定されていた。たとえば10万円を借りたとすると、4〜5万の金利を払うようになるとのことだ。かなりあこぎなローンである。結局、こんなローンはとても組めたものではないので丁重に辞退することにする。

 さて本当に困ったことになった。困り果てたが、もう一度家電量販店で外部キーボードをつないで試してみることにした。そしたら何とちゃんと動くではないか! 最初に行ったK家電量販店の販売員にしてやられたわけだ。ヒトの弱みに付け込んで新しいPCを買わせようとしかけたに違いない。まあありがちなことだ。そのおかげで銀行くんだりまで出向き借金の相談までさせられたことに少々むかっ腹が立った。

 とまあ、そんなわけでワイヤレスの外部キーボード(2500円)を買ッて帰った。これでようやく1カ月ぶりにPCを開くことができた。1件落着。この1カ月のあいだにメールが40本余り届いていた。まったく容易じゃない。

 1カ月の間PCが使えなかったわけだが、あまり差し迫った事態にはならなかった。けっこうPCがなくてもそれなりに支障なく過ごすことができた。ただ、メールやブログ、報告などの文章が書けなかったのが不自由といえば不自由だった。銀行や家電量販店のややあこぎな商法を垣間見て認識を新たにしただけでも良しとしよう。