koujinのつぶやき その6

 29日、友人と東武古書の市に出かけた。いつもなら、年明けそうそうに開催するのが恒例となっているのだが、今回は年末からの開催。年末年始で計10日間の開催ということらしい。

 今回で62回目というから、このての古本市としては新春の恒例の伝統行事といってもいい。が、東武宇都宮百貨店5Fの会場へ行って驚いた。売り場面積が昨年の半分ぐらいに縮小されていた。

 出店したのは本県をはじめ、埼玉、茨城、東京の計11店舗。多少は期待してきただけに、出鼻をくじかれたというか、肩すかしをくわされたという感じだった。景気の悪化の影響で今回は出店を見送る店舗があったようだ。

 まあ、そんな塩梅ではあったが、各店舗をのぞいて回ることにした。心なしか白っぽい本は少なく、セピア色に近い文学・歴史関係の無難な本ががほとんどを占めていた。近年の傾向としては、全集・新書・文庫の陳列が少なくなってきている。今回もその手の本はとても少なかった。

 売れ筋の文学・歴史関係の本は定価の半額前後で、割安感はまるで無い。目玉商品も無く、十年一日のごとく、相も変わらず売らんかな商売である。巷では○○○オフという新古書店が続々とメイン道路沿いに出店。古本屋に高値で陳列してある本が最低105円で売られているのだから、到底太刀打ちできない。こうした外部環境に古本業界はどう立ち向かっていくのだろうか? 打開策を見いだせぬまま、じわじわと朽ちていくようにみえるのだが…。

 案の定、会場には目ぼしい本はまるで無かった。こんな値段の付け方では、陳列した商品はそっくりそのまま持ち帰るのは必至とみられるような古本屋も見られる始末。古本市とはいえ、お祭りなのだからお祭り相場があってもよさそうなものだが、そういうことは眼中にはないらしい。ただただ売らんかな商売である。

 会場を訪れたのは、ほとんどが中高年。有体にいえば私も含めてお年寄りばかり。どっさりと本を抱えている姿はまったくみられず、背表紙の文字をただただ追っている姿ばかりが目に付いた。「ああ、来年はどうなるのだろうか」。徒労感のため息とともに余計な心配をしてしまった。

 この後、ちょっとお昼には早かったが、最近売り出し中の焼きそば屋○○○に行ってみた。先客は2人。カウンターで背中を丸めながら大皿の焼きそばをかきこんでいた。座敷に座ってメニューを見ると焼きそばの文字のみ。焼きそば専門店なのだ。普通・大・特盛りの焼きそばにトッピングのエビ、野菜、たまごなどを選んで注文するシステムらしい。いろいろトッピングすると、そこそこの値段になってしまう。まあ、そのへんはうまくできているようだ。

 で、注文したのは焼きそばの大にたまごのトッピング。540円とまずまずの値段と思われたが、出てきた焼きそば+たまごは大皿にうすく広げられていて、あまりボリューム感が無いうえ、2割ぐらい焦げていた。ソースが利いた太麺に、野菜はほとんど入って無くて小さな半熟のたまごがちょこんと載っているだけ。思い描いていた焼きそばの「大」とはかなりイメージが違っていた。焦げている割にはアツアツでもなく、真っ黒に焦げて炭となった部分をより分けて食べるのに一苦労した。言うまでもないが、あまりうまくは無かった。古本市といい、焼きそばといい、ここまではみんなイマイチ。

 気を取り直して次に向かったのは、さくら市に先月オープンした○○○オフ。新刊書店、コーヒーショップとの複合施設の一角にあった。店舗は中規模。国道4号沿いにあった前の店舗をたたんで移設したため、3分の1は前の店舗の品。新古書店とは思えないくらい明るくきれいな品ぞろえの店なので、目当ての古い本はほとんど無いようだった。それでもM・リドゥリー「新しい動物行動学」があったりした。2,000円余と少々お高いので欲しかったがあきらめた(家に帰ってから本棚をみると同じ本があった。昔買っておいたのをすっかり忘れていた。いやはや、買わないでよかったぁ〜)。

 店を出ると何ともいい香りが漂ってきた。コーヒーショップからの香ばしい香りだった。早速店に入ってブレンドコーヒー(S:200円)を注文した。ちょっと温めだったが、味のほうはまずまず。つかのまのコーヒーブレイクを楽しんだ。

 さて、ここからどうしようと思っていたら、友人が国道4号を北上して県北方面に行ってみないか、というものだから、じゃあまあ時間もあることだし行ってみることにしようかと、更に北上を続けた。

 宇都宮から約60キロ北上し、那須塩原市西那須野町大田原市の各○○○オフに寄って帰ってきた。収穫は余りなかったが、友人とのどうでもいい内容のおしゃべりを楽しみながら、今年の○○○オフでの収穫などについての総括を試みたりしたりしてドライブを続けた。

 今年は、年末に入ってヒマラヤ関係の大部な本2冊が破格の値段で買えたのが収穫といえば収穫だった。私はいつも安い本しか買わないが、友人の方は、今年はDVDをしこたま買いそろえたようだ。すでに押し入れが埋まるぐらいのDVDを所有しているというから恐れ入る。私は、ありがたいことに友人のそうしたDVDを借りては映画をゆっくりと楽しんでいる。ことしも世界のいろいろな映画を観させていただきました。謝謝。

 来年も○○○オフ・近県ツアーは続く予定だ。